日本市場を前提にした製材規格JPS-1
- 日本向け製材規格JPS-1をカナダの規格として制定(2001)
- JPS-1に独自の基準強度を設定(2001)
- JPS-1に上位等級のE120-F330を追加改正(2005)
- JPS1-05のE120-F330には更に高い基準強度が設定(2006)
カナダBC州の太平洋岸の製材工場が組織するCFPA(Coast Forest Products Association)の規格作成組織であるCFLA(Coast Forest & Lumber Association)は、日本のユーザーの厳しい品質要求に対応するため、2001年に日本の木造軸組住宅への使用を前提として、Hem-Fir(N)を対象とした製材規格・JPS-1をカナダの国家規格として制定しました。
国土交通省は、このようなカナダでのこのような動きを捉え、平成13(2001)年10月25日にカナダの製材規格であるJPS-1に基づいて格付けされたE120の製材品に対して、また、平成18(2006)年7月31日にはJPS1-05に新たに追加された等級E120-F330に対して、それぞれ基準強度を指定しています。
これは、平成12年建設省告示第1452号に規定されている日本農林規格の格付製材や無等級の製材の基準強度とは別に、同告示第七の規定にもとづいて国土交通大臣が指定したものです。
E120等級の基準強度は同告示の無等級材「べいつが」と同じ値(Fb = 25.2 N/mm2)でしたが、平成18年に指定されたE120-F330等級については、その等級名のとおり約33 N/mm2の曲げ強度が与えられたため、「べいつが」やE120等級に比較して30%以上も基準強度が高くなっています。
なお、E120-F330等級を加えた新しいカナダ製材規格JPS 1-05は、カナダ製材規格認証機構(CLSAB: Canadian Lumber Standards Accreditation Board)が認定するカナダの国家規格としてカナダ国立研究機構(NRCC: National Research Council Canada)の建築研究所(IRC: Institute for Research in Construction)が位置づけており、基準強度を指定する海外の製材品は、その格付規則が各国の国家規格であることを求めた「製材等の基準強度等の指定手続ガイドライン」(平成14年10月11日国土交通省住宅局建築指導課国際基準調査官事務連絡)にも合致しています。なお、これらの基準強度値は同規格によって格付けされた製材品4,600本以上を供試した実大曲げ試験(イングレードテスト)の結果から誘導されています。
*CFPAは2018年4月にCouncil of Forest Industries Canada(COFI)に統合されました。