カナダツガの故郷はカナダ ブリティッシュ・コロンビア州
豊かな自然環境と、厳しい森林管理のもとで、高品質材を安定供給します

カナダツガE120、またカナダツガE120-F330の生まれ故郷は、カナダ西部、太平洋沿岸のBC(ブリティッシュ・コロンビア)州。世界第3位の森林国カナダのなかでも、特に豊かな森林資源に恵まれ、その森林面積は日本の国土の1.5倍、6000万haにも及びます。年間の伐採量は、全森林面積のわずか0.3%に抑えられています。こうした豊かな森だからこそ、大切な財産として自然の生態系を維持しながら、木材資源を継続的に供給することをテーマに、世界一とも言われる厳しい森林管理が行われています。そしてこの徹底した森林管理が背景になって、高品質なカナダツガE120、カナダツガE120-F330が安定供給されています。

世界一厳しい森林管理体制を世界に先駆けて実現

世界に先駆けて森林の保続生産体制を確立したBC州。その森林管理の考え方は、本来の自然の生態系を崩さずに、収穫した樹種と同一の樹種を植栽・管理し、完全な輪伐期体制を確立するというもので、現在の森林政策の基本となる「持続可能な森林経営」をいち早く実現したものといえます。針葉樹は、幼樹のうちは陰樹としての性格が強く、成木となるにしたがって陽樹としての性格をもちはじめる樹木。広葉樹と比較して、人の手による更新が可能なうえ、着実に持続可能な森林経営を実現できる樹種といえます。その上、1本の伐採に対して3本の苗木を植栽していくという森林保続管理の方策は、「地球環境を破壊することなく良質な森林資源を安定供給し続ける」という、産業資源として最も重要な社会的な使命をもクリアしているといえます。こうした森林管理体制がバックボーンになり、カナダツガE120、カナダツガE120-F330においても品質面・供給量で安定して需要に応えることが可能になっています。

北米で最も有用と評価される材、カナダツガ

カナダツはガ英語名で「Hem-Fir (N)(ヘム・ファー・ノース)」。BC州の太平洋沿岸に生育するウェスタン・ヘムロック(Western Hemlock、学名:Tsugaheterophylla(Raf.)Sarg.、マツ科ツガ属)とアマビリス・ファー(Amabilis Fir、学名:Abies amabilis (Dougl.) Forbes、マツ科モミ属)の両樹種を総称した樹種群の名称です。Hem-Fir(N)はカナダ西部に植生する樹種のなかで最も重要な木材として位置付けられ、建築用材から、壁材やフローリングなどの木質内装材、合板・集成材などの木質材料の原料として広く使用されています。カナダツガの樹高は40mから60mに達し、胸高直径も60cmから1m以上にまで生長します。生長とともに下層の枝が枯れ落ちるため、製材として使用される幹部分は「木目が周密かつ通直で節が少ない」という木材として非常に有利な特性をもっています。ウェスタン・ヘムロックとアマビリス・ファーは共通した生育環境にあるだけでなく、ともに白木系統の材観で、やになどもなく比重も近似しているなど、性質が非常に似通っています。このため北米では従来より両樹種を区別することなく、Hem-Firという樹種群の総称で呼ばれています。

厳しい環境のもとで、すぐれた特性を持つ材が育ちます

Hem-Firは北米大陸に広く分布していますが、カナダツガE120、カナダツガE120-F330として格付けされるのは、BC州太平洋沿岸地域の比較的海抜の低い海岸寄りに生育する材だけです。この地域は土壌は肥沃ながら、亜寒帯に近く、生長期にあたる夏季は乾燥し、生長の休眠期となる冬季は降雨(降雪)が多いという厳しい気候条件にあります。カナダツガはゆっくりと生長せざるをえないため、目が詰まり、均質で比重が高く、強度性能にすぐれた木材に育ちます。北米の市場においては、従来より格付表示上で、カナダ産のHem-Firには「Hem-Fir(N)」とNorth(北)を意味する「(N)」が付けられており、米国産のHem-Firとは明確に区別されています。

州有林だから、公的機関だから、管理も格付けも厳正です

BC州では面積の約95%が州有地となっています。このため、森林管理にも州の意図する持続可能な森林経営の方策が確実に反映されています。また、カナダツガE120、カナダツガE120-F330の日本向け製材規格の運用については、BC州の格付け検査機関が、各生産工場の格付け状況を厳しくチェックしています。森林管理から木材の製品管理まで公の目が注がれていることで、供給量はもとより品質もばらつきのない安定した供給体制が確立されています。